心鈴泉-心理学とカウンセリング

人間関係、恋愛、仕事の各シーンで使える心理学についての記事を記載しています。

人の気持ちを試すようなことをしてしまう

f:id:shinrinsen:20180828070326j:plain

パートナーや友達など好きな人に対して、気持ちを試すようなことをしたことはあるでしょうか?
気持ちを試すというのは、ちょっとねちっこい態度ではあるのですが、、、、、例えば、あえて突き放すようことを言って、その時の相手の反応をみたり、あえて相手が嫌がるような質問をして、なんて返してくるのかを確認する、といった感じのことです。

相手に対して疑いや不安感を心の中に抱えている時ほど、相手を試したい気持ちが出てきやすいかもしれません。例えば、自分と一緒にいるのが本当は嫌なんじゃないのかな、とか、本当は自分のことが迷惑なんじゃないかな、といった疑いが出てきて、相手のことを信じることが難しくなっているような時です。精神的に不安定なところがあるような時に、相手に依存したい気持ちが出てきて、ついついやってしまう、ということもあるかもしれません。

心の中では、相手に嫌われるのが怖いあまりに、自分からあえて嫌われるようなことをして、相手が自分から離れていくように、「相手の気持ち」を自分の手でコントロールしたい心理が働くことがあります。

心の中ではそれでも自分のもとから相手が離れることがない、という結果を期待したくなります。自分のことが嫌になりながらも、人の気持ちを試すようなことをやめられないとしたら、いつかそのうち、自分の周りから誰もいなくなってしまうんじゃないか、という怖れを抱くこともあるかもしれません。


もし、周囲の人たちのことをなかなか信じることができなくて、そこに苦しみがあるのだとしたら、少し試してもらいたいことがあります。

パートナーや好きな人に対して気持ちを試すようなことをしたくなった時、自分の心の中ではどんな感情を感じていたでしょうか?
感情を感じるきっかけとなったのは、相手の行動や発言だったかもしれませんが、その相手の行動や発言を、あなたはどう解釈したでしょうか?

少し気づきにくい事かもしれませんが、相手の行為をどう解釈したかによって、私たちが感じる感情は変わります。

例えば、自分だったらよっぽどのことがないとしないようなネガティブな態度を取られたかのように感じたら、自分自身を相手に当てはめて、相手のなかによくないものがあるように想像したら、決して良い気分はしないとは思います。ただ、自分と相手は違うので、何を思って相手がそんな行動をしたのかは、推測しかすることはできないです。

例えば、過去にあなたが人間関係の中で辛い目に会った時と似たような状況を相手が作り出したなら、あなたは相手に対して心穏やかではいられないかもしれません。ただ、そんな経験がなければ、その解釈は全然違うものになるかもしれません。

どんな状況がやってくるとしても、それに対してどういう解釈をして、どういう態度でいるのかによって、あなたが感じる感情は変わります。ある意味では、あなたは自分が感じる感情に責任があります。あなたは自分の感情を主体的に選択できます。あなたの感情を作り出しているのはあなた自身。あなたが成長することによって、相手から受け取るものは変わります。

ただ、ここで自分の感情を相手のせいにしすぎると、あなたは相手に精神的に依存することになります。ちょっと極端な言い方をすると、あなたがネガティブな感情を感じないようにするためには、あるいは、あなたが良い気分でいるためには、それが維持されるための相手の発言や行動が必要になります。相手からあなたが望むような発言や行動がなかった時、あなたは相手のことを否定したくなります。
「なんでXXXしてくれないの?」
「なんでXXXをしたの?」
こういった不満を抱えやすくなり、あなたが望む行為をさせるように相手をコントロールしたくなります。幸福感や心が満たされた感覚を得るために、相手の行動や発言にあなたが依存することになります。周囲があなたのそれらを全てを満たしてくれるような感じであれば不都合は起きないですが、もし、そうではないのなら、、、、この精神的な依存が強い度合いだけ、あなたの中にある不安感と疑いは強まってしまいます。

自分の感情に注目してください。どうして自分が不安や疑いを感じているのかの理由を、相手に求めるのではなく自分に求めるとしたら、そこにはどんな理由があるでしょうか?
気持ちはどうしても相手のせいにしたくなる方向に向きますが、踏ん張って自分の心の動きに注目してみてください。

なぜ、私はそんなに不安や疑問を感じてしまうんだろうか?
そんな風に自分自身に問いかけてみてください。もしかしたら、自分が過去に感じた感情がルーツになっているかもしれません。自分が向き合わなければならない心理的な課題のようなものがそこにあるかもしれません。


自分が感じる感情は、時に、今自分に求められていることが何なのかを知るためのヒントを教えてくれます。心の中で誰かを責めた時、もし、それが自分にも当てはまることがあるとしたら何だろうかと思い巡らせてみた時に、何か気づけることがあるとしたら、それに取り組むことで、周囲から受け取れるものを変えることができます。

例えば「なんで私のことをわかってくれないんだろう?」と相手を責めている自分に気づいたら、「もし、私が誰かのことをわかってあげてないんだとしたら、それはなんだろう?」と自分に問いかけてみてください。そうすると、何か気づけることはないでしょうか?

例えば「なんであんな無神経なことができるんだろう?」と相手を責めている自分に気づいたら、自分に無神経な部分はないか、自分自身に問いかけてみてください。何か気づけることはないでしょうか?
何もなければ何もないで良いですが、もし、何かしら気づいたことがあるのなら、そこから目を背けないであげてください。もしくは、これには目をつむっても良いと思えるのなら、今あなたが責めていた相手に対しても責めないであげてください。

自分自身が完璧ではいられないように、相手にも完璧ではない部分があります。弱い部分があり、癖のある部分があり、時に悪意のあるような部分もあったり、意地悪な部分もあります。勘違いしているような部分もあったり、頑固な部分もあったりします。相手も相手で、自己嫌悪のような部分を抱えていることもあります。人としてダメで直した方が良さそうな部分もあるかもしれません。そういう弱い部分を守るために、あなたに対して防衛的な態度を取ってくることもあるかもしれません。そこを責めるのではなく、ただ、あるがままを理解してあげてみてください。全部は無理かもしれませんが、できる限り、理解やそのままの相手を受け入れてあげるような気持ちで、相手のことを思い巡らせてみてください。

相手を通して、自分自身のことが見えてくることもあります。
「私、こういうの苦手なんだ。」
「私、こういうのよくわかってないんだ。」
「相手にそんなつもりがなくても、私はこんな風に過剰に反応しちゃうんだ。」
もし、そういうことを気づけたとしたら、それはそれとして自分を否定するのではなく、自分の性質の一つなんだとあるがままの自分も受け入れようとしてあげてみてください。自分が受け入れた度合いだけ、自分以外の人も受け入れることができるようになります。

信頼は、自分が相手に対して抱く依存的な気持ちの延長線上にあるものではなく、理解や受容の延長線上にあるものです。あなたにも弱いところがあると思います。相手にも弱いところがあります。弱いところをつつき合うと隔たりが生まれますし、あまりにも距離が近すぎると合わないところや相手のダメなところが目につきすぎて、息が詰まってしまいそうになることもあります。ある程度の距離を保ちつつも、お互いに完璧ではないもの同士、繋がれるところで繋がっていくこと。コミュニケーションを重ねていくことで、距離感のあるところに橋をかけてあげてください。


人の気持ちを試すのではなく、相手に理解を送って歩み寄って、可能な限りあるがままの相手の姿を受け入れてあげて、コミュニケーションの橋をかけることで、自分も相手のことが理解できるし、相手も自分のことが理解できるようになる、ということを目指す方が良いです。自分がそういう成熟した関係性を望むのなら、自分から理解することと歩み寄ることを始めてみてください。最初の一歩は相手に対して勇気のようなものや、まずは信じてみる、という感じのものが必要かもしれません。ただ、それを繰り返してくことができた時、その積み重ねがお互いの信頼を強固にしていきます。

自分や相手の不安定な部分やよくない部分をみて、繋がりが失われることへの怖れに自らのエネルギーを注ぐのではなく、自分や相手のよくない部分を受け入れていくことで、その関係性が成熟していくプロセスを信頼してください。


そのために、もし、自分が向かい合わなければならない心理的な課題があるとしたら、どんなものがあると思えるでしょうか?
相手のせいにするのではなく、自分を過剰に責め立てるのでもなく、ただ、自分には向かい合わなければならない課題があって、まだそれをクリアできていないだけ。今からやる課題が今自分の目の前にあるだけなのだとしたら、そこには何があると思えるでしょうか?
それに気付いた時、これは相手の問題ではなく、あなたの問題だということに気づくことができるようになります。もちろん、相手にもダメなところはあるのかもしれません。でも、それは相手が取り組むことです。あなたには、あなたなりに取り組むことが求められているものがあり、それに向かい合うことは、あなた自身の為にもなります。


人の気持ちを試すようなことをしてしまうときのことについて、私なりに掘り下げて書いてみました。何かしらお役に立てるところがあるのなら、幸いです。