心鈴泉-心理学とカウンセリング

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母親からの依存

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大人になって離れて暮らすようになってからも、母親のことで気が重くなるようなことはあるでしょうか?
母親と自分との間に精神的に癒着しているような部分がある場合、その母親から精神的な依存をされることから色々な問題が出てくることがあります。例えば、母親から色々とネガティブなことを言われたり、母親がらみのことで何か犠牲的なことをしなければならないような状態になったり、という感じです。母親がすごく自分のことに干渉してきて、自分もその母親の意見がどうしても無視できなかくて、なんだかモヤモヤする、ということもあるかもしれません。母と娘、という関係性の中で出てくることが多い問題かもしれませんね。

今まで育ててきた恩や、どれだけ娘のことを大切に思っているか、ということを言われると、何かしら言い返せることがあったとしても、ちくっと罪悪感を突かれるような感じになるかもしれません。拒絶されるようなことを言われたり、兄弟間で差をつけられるようなことを言われて、自分の至らなさのようなものを感じることがあるかもしれません。ある意味では、母親だけに、自分の弱点を知っていて突いてくる、というような部分もあるものかもしれません。

母親に言われたネガティブな言葉に対して、同調して同じレベルで物事を見るのではなく、より成熟した視点で物事をみた上で対応できるなら良いのですが、精神的に癒着している部分があると、その度合いが強いほどに、そのネガティブな言葉や態度をとても重たく感じやすくなります。


私たちは自分が感じる感情にある意味では責任があり、物事をどう解釈するかで感じる感情を主体的に選択することができます。もし、解釈の仕方が偏っていて、ちょっとしたことでも過剰にネガティブにとらえるような物の見方を普段から選択しているなら、ネガティブな感情をとても感じやすくなります。ただ、ネガティブな感情を感じている時、私たちはそれを物の見方に原因があるとは気づきにくく、そんな感情を感じさせるきっかけを作った相手のことを責めたくなります。

母親が感じたネガティブな感情は母親のもので、その時に母親から言われた言葉であなたが感じた感情は、あなたのものです。ただ、精神的に癒着しているような部分があると、この辺りの境界線が曖昧になります。例えば、悪気が全くないあなたに対して、あなたのせいでひどい気分になったと母親があなたのことを責めてきた時に、お返しするかのように、そんなことを言ってきた母親のせいで私はネガティブな気分になった、と言いたくなる、という出来事があったとします。

母親がひどい気分になったのは、あなたがしてきたことに対して、よくない解釈をしたからだとしたら、母親があなたを責めてきた場合に、そこにあなたが責任や罪悪感を感じるというのは、あんまり賢明ではないです。たとえあなたが何にも悪くなかったとしても、相手の解釈でよくないように判断されるような何かをしたんだと母親から決めつけられたなら、あなたは母親の中で悪者になるわけです。その解釈や判断基準が偏っているのに同調してしまって、私の何が悪いの?、というところを考え込んでドツボにハマる、というところから視点と態度を切り替えた方が良いです。この場合、相手の感じるネガティブな雰囲気に巻き込まれるより、一歩引いて相手や状況をよく見て、このトラブルに対してどう対処するのがベターかな?、ということに意識を向ける方が良いです。

癒着があると、この罪悪感から自分の身を守るために、自分が悪者にされるなら、相手を悪者にしよう、という風に気持ちが強く動きます。そこで相手に強く言い返して悪者返しをしたくなる(何らかの理由をつけて、相手が悪いように言う)のですが、そうすると、相手がそのお返しにこちらを悪者にしてきて、、、、、という泥沼のブーメランの投げ合いが始まります。それは癒着を強化するだけなので、あんまりしない方が良いです。

精神的に依存している人は、相手に自分と同じ立ち位置に落ちてきてほしいと思いやすいです。自分が精神的にネガティブな感情を感じているのだとしたら、相手にもそれを感じてもらいたい、という気持ちがちらっと顔を覗かせます。なぜなら、その方が相手と繋がっている感じがするからです。自分がひどい気分なのに、相手が楽しそうにしていたら、そのことを責めたい気分が出てくることもあります。そこで、責められた相手がシュンとなったら安心します。同じところに落ちてきてくれた時に、繋がれる感じがするからです。自分が楽しい気分になって、楽しいところで相手と繋がれたらいいのですが、自分が変化するのは抵抗があるので、相手を変えることで自分の心の平安をとりたくなったりします。良いところで繋がるのではなく、底辺でつながりたくなるというこのパターンは、癒着がある時に出やすいです。もし、母親との間で、この底辺で繋がるようなパターンがあるという感じがするなら、そこは変えていった方が良いです。


癒着を手放す、ということを心の中で選択してください。母親との関係の中で何か問題が起きて、とてもネガティブな気持ちになったような時に、母親のせいで癒着が手放せないかのような気持ちになるケースもありますが、そんな時ほど相手のせいにせずに、相手の態度がどうであれ、自分が主体的に癒着を手放す、ということを選択することが大切です。

母親に対して、やってもらって当たり前と思っている部分や、期待を裏切られていると感じるような部分はあるでしょうか?
癒着がある時というのは、母親から依存されているだけではなく、自分が母親に対して依存しているような部分も隠れていたりします。自分の中にも、そういった依存的な部分がないか、チェックしてみてください。そこで「あ、私こんな風に思っていたんだ」と気付けるだけで、母親に対して思っていたネガティブな気持ちをちょっと軽くすることができます。

自分の中で、一歩前に進む、ということを選択してください。癒着を手放していくために、自分の中にもある、母親に対して期待しているような部分を手放そうとしてみてください。もっと母親が精神的に成熟するべき、とか、あんな言い方はしないように態度を改めたほうがいい、とか、相手がもっと良い母親になることを期待しているような部分を手放してください。

相手を変えることは基本的にできないです。相手に期待したり依存する代わりに、自分が一歩前に進むためにできることって何だろう?って考えて見てください。例えば、ネガティブなことを言われたときに、軽く受け流せるようになる、とか、経済的に依存している部分があるなら、その部分を見直してみる、とか、犠牲を強要されるようなときに、ちゃんと断れるようになる、とか、一人で抱え込みがちなところがあるなら、人に相談して早めに解決できるようになる、などなど。こういったものはあくまで一例で、状況によって出来ることは色々と異なると思いますが、自分なりに工夫して出来ることを進めていくといった取り組みは、癒着を手放すためにプラスになります。


母親からの依存というテーマで書きましたが、実際にここにはまっている人は苦労が耐えないと思っています。自分が出来ることを可能な限りやったとしても、相手がやってくることは基本的に変わらないと思いますので、相手の性格や行動パターンを変えたくて仕方がない気分になるかもしれませんが、そこはグッとこらえて意識を問題解決に向けるように切り替えつつ、どれだけ自分の精神的な耐性をつけるか、距離を上手にとるか、いかに断るか、精神的に成熟していくか、といったところに注力していくことが大切なのかも、と思っています。ここに書いたことが、何らかの参考になれば幸いです。