心鈴泉-心理学とカウンセリング

人間関係、恋愛、仕事の各シーンで使える心理学についての記事を記載しています。

家族のトラウマ

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子供の頃に自分が家庭の中で体験したことで、今でも心に引っかかっていることって何かありますでしょうか?
例えば、怒られた経験、とか、無視された経験、などなど。怒られたというのとは少し違うけれども、何かきついことを言われた、ということであったり、ネガティブな感情をぶつけられた経験、といったものも中にはあるかもしれません。もし、幼い頃の自分の記憶が、その時に感じた感情とセットになって心の中に深く根付いてしまっていて、今もそのことでネガティブな感情を感じることがあるとしたら、その傷の部分というのは、ケアすることが求められてくるかもしれません。


その記憶を忘れたい、と思うこともあるかもしれませんが、無理やり忘れようとしたり、その感情を心の中で封印しようとすると、心の中に触れてはいけない地雷を埋め込むような感じになってしまいます。その場合、形を変えて、別の人や別の出来事を通して、その感情を思い起こさせるようなことが自分に降りかかってくることがある(つまり誰かや何かに地雷を踏まれる)ので、あんまりオススメのやり方ではないです。

それよりは、出来事の受け取り方を自分の内面で変えることで、記憶の解釈が変わる、という方が、結果的に受け取れるものが大きいです。このやり方は、自分自身が楽になれるだけではなく、今までの人生でよくあったパターンのようなものが変わることもあったりします。物事の受け取り方が一部変わることで、今後の自分の人生にもより良いことが起きる、という感じです。

起こってしまったことは変えられないですが、起こってしまったことの受け取り方は変えることができます。受け取り方を変えることで、辛かっただけの出来事の中に、自分なりの何かしらの意味を見いだすことができるようになることもあります。今までの自分の人生の中に無駄なものはなかったんだと思えるようになることで、自分の足元が強固に固る感覚が生まれ、前に進んでいくためのエネルギーが自分の内側から出てくることもあります。


受け取り方を変えるために大切なのは、自分が感じている感情、です。感情を感じることに抵抗をするのではなく、その時の自分の感じていた感情に入っていく、ということがとても大切です。ネガティブな感情を感じるということに抵抗感が出てくることもあるのですが、たくさんの感情を感じて、涙とともにその感情を洗い流していくことで、気持ちがとてもスッキリしたことがある、という経験をお持ちの方もおられると思いますが、感情に入っていき、それを感じ切るということは、自分自身の気持ちを整理するのにとてもプラスになります。

自分の心の中には、自分自身の心を癒す力があり、感情を感じ切るということをした時には、この力が発揮されている状態になります。この時、感情を感じながら、同時に、自分が体験してきたその出来事に対する解釈も一緒に変えていく、ということもできます。

やり方としては、感情を感じながら、その幼い頃の出来事をイメージして、自分の心の中で癒されていない傷の部分に触れていきます。その時に自分の心を癒すための象徴となるものを、そのイメージの中に登場させていきます。それは、自分自身がイメージしやすいものであれば、なんでも良いです。

例えば、大人の自分をその登場させて、幼い頃の傷ついた自分を抱きしめてあげる、というイメージも効果的です。幼い頃の傷ついた自分が、かけてもらいたかった言葉や、してもらいたかったことを、その大人の自分が、幼い自分にやって愛してあげる情景をイメージすることで、自分自身の傷ついた部分をケアする、といった感じです。

例えば、天使がイメージしやすい人であれば、天使をイメージとして登場させることもアリです。幼い頃の傷ついた自分自身を、もし癒しの力を持った天使がケアするとしたら、どんな感じになるか、というのを自由にイメージして、その傷の部分が、天使のエネルギーに包まれていく癒されていく、といったイメージを持つことでケアする、といった感じです。

イメージの内容がどうというより、イメージすることが大切というより、そこで自分が感じる感情や感覚が何より大切です。幼い頃に感じた強い感情を十分に感じているところから、その幼い頃の自分を援助する存在をイメージの中に登場させることで、その感情の下に眠っている、とても愛情深い部分や、素直に相手の愛情を受け取ることができるピュアな部分を、封印することなく、取り戻していくことという感じです。自分が心の中でイメージして登場させているその援助する存在の癒しの力も、愛情深い部分も、ピュアな部分も、全部自分の内側にあるものです。それらを受け取ることが、自分の内面を成長させることに繋がっていきます。

次の段階として、解釈を変える、というところに進んでいきます。自分がネガティブな感情を感じるきっかけとなった、出来事の登場人物(例えば両親)の中にも、傷ついた子供がいる、というイメージを使っていきます。

自分に怒りやネガティブな感情をぶつけてきたり、無視した人たちのことを思い起こしてみて、その彼らの中にある、不器用な部分や、自分と同じように未成熟な部分を抱えているところを、援助する存在のことを感じながら、慈愛の心でみてみてください。そこには、自分のことでいっぱいいっぱいだったり、人を愛するための余裕がなくて、十分にあなたのことを考えてあげられなかった弱い部分がある、という部分を想像してみてください。自分と同じように、その人たちの中にも幼い頃に傷ついて癒しが求められているような部分がもしあったとしたら、その傷があるために、あなたに十分に愛情が送れなかったのだとしたら、っていう風にみてみてください。

親が持っている課題のようなものが、子供に受け継がれていく、ということがあります。子供は親からいろんなものを学んでいきますが、その中には、感情の感じ方や表現の仕方、物事の解釈の仕方、といったものもあり、そこに課題のようのものがある場合、親がクリアできていないその課題を、子供もクリアできないままに抱える、という感じになることがあります。

親が心の中に抱えている傷のようなものについて、子供も同じように感じるということがあるとしたら、今、自分が感じている幼い頃の傷のような部分は、親も持っていた可能性ってあります。自分が感じている心の痛みも、親も同じように感じている部分があるとしたら、助けてあげたいって思えるでしょうか?

そんな風に自分に問いかけながら、自分が幼い頃に傷ついた経験をした時の登場人物を許してあげることができた時、その出来事から自分が学べることがあったとしたら、何でしょうか?
その気づきを受け取ることができると、自分がその出来事の被害者という解釈から、違う視点を身に付けることができるようになります。

カウンセリングの場でも、感情を感じているところから、幼い頃の自分をケアするイメージと、その出来事の登場人物に対する許しや学びの気づき、といったところを扱うことがあります。感情を感じやすい人、自分の幼い頃の心の傷の部分に入っていくことの抵抗感が強くない人の方が、この流れでの癒しを受け取りやすいのですが、一度もこれをやったことがない人が自力でこの一連の流れをするのは、もしかしたら難しいかもしれません。カウンセリングの中だと、カウンセラーがその流れを誘導していくことで、癒しを体験してもらう、ということをやったりします。許しの部分であったり、学びの部分に関しては、カウンセラーのサポートがあった方が受け取りやすいかもしれません。


今回は、家族のトラウマ、というテーマで記事を書きました。この部分での癒しを受け取ることができると、自分の心の中で頑なだった部分や、過剰反応してしまう地雷のような部分も手放していけることがあります。精神的に未成熟な部分をより成熟させることができることから、彼や彼女との関係や夫婦の関係がより良いものになることもあります。

もし、自分の中で、幼い頃の自分が感じた心の傷という部分でケアをしてみたいと思えるようなものがありましたら、ぜひ、トライしてみてもらえれば、と思っています。