心鈴泉-心理学とカウンセリング

人間関係、恋愛、仕事の各シーンで使える心理学についての記事を記載しています。

一人で頑張ってしまいがちな人

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一人で頑張るというのは、ある意味では楽な一面があります。誰かに任せるよりも自分でやった方が状況をコントロールしやすいですし、任せた人がちゃんとできるか、いちいち気にする必要もないです。いつまでに終わって、その出来栄えがどんな感じになるかの予想が外れないように自分がコントロールできます。やり遂げた時の、自分がやった、という達成感も自分のものです。ただ、一人でやれることには限度があります。その限度を超えて何かをしようとすると、何かを犠牲にする必要が出てきます。

恋愛関係や夫婦関係の中で、自分とパートナーとを1つのチーム、として考えたとき、片方が頑張りすぎで、片方が頑張らない、という関係性になることがあります。職場で頑張りすぎている人は、パートナーシップの中でも、頑張る側に回ることは多いかもしれませんが、ここで、自分が犠牲する部分というのが多くなってしまうことがあります。

自分が頑張っているからなんとかなっている、と自分では思っていても、相手にとっては、それが空気のように当たり前のものとして受け止められていることがあります。犠牲的にしている部分があるのなら、それは当たり前のことじゃなくて、好きでやっているわけでもなくて、私が我慢している部分もあるのはわかってほしい、と思うものかもしれませんが、相手がその気持ちに全然気づいていないことがあります。

本音のところでは、頑張っているところを認めてもらいたいと想っていても、それがあまり理解されていないとしたら、なんのために頑張っているのか、わからなくなることもあるかもしれません。頑張るのに疲れて燃え尽きてしまって、二人の関係を終わらせたくなることがあったり、相手のことを好きなのかどうかもよくわからなくなることも、人によってはあるかもしれません。


ただ、もし、このパターンを変えていきたいという想いを持つのなら、一人でやる、というやり方を変えていくことが求められてきます。一人でやった方が楽な一面はもちろんあるのですが、犠牲的なものが多くなってきて、もう、一人で抱えているのが嫌になってきたような感覚があるなら、そのやり方を変えて、一人でなんでもやってしまう、というところから、パートナーと一緒にやるという選択肢も選べる、というところに成長していくことが求められてきます。一人でやった方が基本的にはコントロールは効きます。ただ、もうそれが嫌になってきたのなら、抵抗感が出てくるかもしれませんが、あえてそのコントロールを手放して、結果がどうなるかがある程度パートナーにもゆだねられる、といった部分を受け入れることが大切です。

そのために鍵になってくるポイントは3つあります。それは、執着を手放すこと、上手くいくことを信頼すること、流れに身をゆだねること、の3つです。


①執着を手放す
自分の中にどんな執着やこだわりがあるでしょうか?
強い執着やこだわりは、自分で物事を抱えてしまいがちになる状況を生み出します。

自分がどうしても保っておきたい何かがある場合、そのためにやらなければならないことや、やっちゃいけないことが出てきますが、パートナーが同じ考えや感覚を持つとは限らないです。そうすると、あなたがやらなければならないことを、パートナーが当たり前のようにやらなかったり、あなたがやっちゃいけないと思っていることを、パートナーが当たり前のようにやってきたりします。

そうすると、あなたの中では当然のように、相手が悪い、になり、パートナーからすると、何が悪いのかわからない、になります。パートナーがあなたの考え方に寄せてきた場合は問題ないですが、強い執着やこだわりは、相手から理解されないことが多々あります。そうするとあなたはこの点に関して、パートナーをあてにしないか、パートナーを責め続けるか、のどちらかになりますが、いずれにせよ、そこに関して、あなたは何かを抱えることになり、あなたが一人で頑張る、という領域が二人の間に生まれます。

執着がある度合いだけ、二人の間にこういった領域を作っていきやすいです。もし、ここで執着を手放す、という選択ができるなら、その領域の扱い方を変えていくことができるようになります。執着を手放すと、パートナーの考えを受け入れる余地が自分に生まれます。余地が生まれると、パートナーがあなたに同調しやすくなり、理解されやすくなりますので、コミュニケーションを取ることで、状況を改善できるようになります。


②上手くいくことを信頼する
上手くいくことを信頼する、といっても、ネガティブな結果がでるリスクは見ないようにするような盲目的な思い込みではなく、ネガティブな部分も、ポジティブな部分も両方見て、そのうえで信頼することを心の中で選択する、という感じです。

例えば、パートナーが自分の話を聞いてくれないんじゃないだろうか、と言う怖れを感じたとします。そこでパートナーが自分の話を聞くようにコントロールしようとしたり、どうせ聞いてくれないだろうと決めつけてハナから話をしなかったり、聞いてくれようが聞いてくれまいが関係なく言いたいことだけは言わしてもらう、といった攻撃的な態度であったりすると、あんまりよくない結果を招き寄せやすくなるのは、想像できるでしょうか?

コントロールできるならいいじゃないか、と思うかもしれませんが、信頼なきコントロールというのは、おそらくアメだけではなく、ムチや怖れを使うコントロールですので、相手からの反発を招きます。一時的には相手はいうことを聞くかもしれませんが、内心、こう思うわけです。
「いつか見ておれよ。」
「バレないようにしよう。」
「アイツに上手くやられたな。オレも上手くやらないとな。」
愛する人との関係性の中に、そういったものはできるだけ持ち込まない方が良いです。あなたが持ち込めば、パートナーも隠れて、あるいは、堂々と持ち込みます。あなたが抵抗できないくらい弱っている時に、愛する人からそれが返ってきたら、あなたのダメージが大きいです。

怖れを感じた結果、まるでその怖れを現実化するような、よくない結果をまねきよせることになってしまいがちになります。

怖れを感じるということは、そこに気をつけたほうが良いポイントであったり、気を遣ったほうが良いところがあると言うことを何かしら察知できる、と言うことであって、それは、自分の内側に物事を上手くいかせるためのエネルギーが、怖れという形で表現されている、ということを意味しています。

怖れがある時というのは、それと同時に上手くいく可能性も感じていて、上手くいくことを望む気持ちもあると思います。上手くいかないことを怖れる気持ちと、上手くいくことを望む気持ちの、この2つのエネルギーが心の中で統合されて、心の力の向きが、物事を上手くいかせるための方向に100%向いている状態が、上手くいくことを信頼する、という状態です。上手くいかないリスクが見えていたとしても、そこで怖れに浸るのではなく、怖れから察知できることを生かして、問題が解決されていくための力が相手や自分にある方に気持ちをフォーカスしている状態が望ましいです。

この状態でパートナーとコミュニケーションをしていくと、自立的に一人で物事を解決しようとしていた立ち位置から、パートナーと一緒に物事を解決していくという立ち位置に、自分のポジションをスライドさせることができます。

いかに相手にいうことをきかせるか、というテクニック的な話は、一人で状況をコントロールしようとしているところから、やはり抜け出せていないです。そうではなく、コントロールを手放して、パートナーを信頼する、ということが大切です。信頼ができた状態で、パートナーとの間にコミュニケーションの橋がかかった時に、一緒に問題を解決するステージに、あなたの愛するパートナーと一緒に立つことができます。


③流れに身をゆだねる
自分にできることはやった、執着もできる限り手放した、信頼もした、じゃあ、望む結果は出るでしょうか?
答えは、誰にもわからない、です。

もちろん望む結果が出るための100%に近しい状態まで持っていくことはできると思います。ただそれでも、想定外の出来事が起きたり、予想もつかないような良いことや悪いことは、色々と人生の中で起きます。だって、今まで生きてきて、実際そうじゃなかったでしょうか?

必要以上に気を遣って、過剰に状況をコントロールするような、細かいことをあれこれやっていたら、それこそキリないです、流れに身をゆだねて、コントロールできない部分に、自分のことをゆだねてみてください。実際、余計なことをしない方が上手くいく、ということは今まで生きてきて中でなかったでしょうか?

頑張りすぎな人ほど、このゆだねる、ということが苦手です。もちろん、やった方が良いと思えることはできるだけやった方がいいので、現実的にやることとしては、ある程度、さじ加減、というところはあると思いますが、必要以上に気を揉んでいないか、心配しすぎていないか、コントロールしようとしすぎていないか、ということは、自分でも気づけるところはあると思います。もし、そういう覚えがあるのなら、身をゆだねる、ということを取り入れようとして見てください。


一人で頑張ってしまいがちな人に向けて、執着を手放す、信頼する、ゆだねる、という3つのポイントを書いてみました。仕事というよりも、特に恋愛関係や夫婦関係の中で役立ちそうなこと、という観点で書きましたが、読んでいただいて、何かお役にたてられそうな部分があれば、幸いです。