心鈴泉-心理学とカウンセリング

人間関係、恋愛、仕事の各シーンで使える心理学についての記事を記載しています。

小さな楽園を作る

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自分の周りにいるごくごく身近な人たちとの間に、ありのままの自分でいられる居心地のよい関係性を作って、そこで自分の価値を感じることができたり、楽しさや嬉しさを感じることができるのなら、その場所は、ある意味では自分にとっての居場所といえるようなものではないかな、と思っています。タイトルに書いた、小さな楽園、というのはその親しい人との関係性や、その居場所のようなもののことです。

楽園というと少し大げさかもしれませんが、その関係性はかけがえのないものであり、それがないのと、それがあるのとで、人生から受け取れるものは大きく変わってくると私は思っています。

自分を取り繕う必要がなく、普段の自分から逸脱することもなく、頑張りすぎる必要もなく、ただ自分が自分のままでいるだけで、親密感を受け取ることができるような場所はとても価値が高いものだと思います。その場所にたくさんの人をいれなくてもよく、例えば自分とパートナーだけとか、息子・娘との間だけとか、家族の中だけとか、自分と信頼できる親友たちだけとか、仲間といえる人たちだけとか、限定的に少人数の中でだけでも、そこに居場所のようなものを感じられるのなら、それは素敵なことだと思っています。もちろん、そこにたくさんの人が含まれていても良いのですが、規模がごくごく小さくてもよいので、小さな楽園、なんて書き方をしています。

小さな楽園が1つでもあることで受け取れる恩恵には様々なものがありますが、全ての人にとって、そんな小さな楽園が必ずしもあるとは限らないかもしれません。ただ、私はこんなことを思っています。
「どんな人にでも、小さな楽園を作ることはできる。」
絶対に作らないといけないわけではないです。ただ、毎日が色褪せて見えたり、おもしろくなかったり、そこに苦痛があるようなときに、そこを変えていくための一つの手段として、小さな楽園を作る、という選択肢もあると思っています。そんな話を今回は書いていきます。


全ての人と仲良くなるというのは難しいことかもしれません。全ての人の前で、ありのままの自分をさらすというのは、やっている人もいれば、そんなことはできないという人もいるのではないかな、と思っています。残念ながら相性のよくない人もおり、誰とでも仲良くできるとか、誰とでも小さな楽園が作れる、というものでもないのかもしれません。ただ、自分の周りに、そんな小さな楽園が1つでもあるのなら、あるいは、小さな楽園を1つでも増やしていけるのなら、それはとても素敵なことだと私は思います。

小さな楽園があると、それを基準に他の人との関係性を見つめることができます。小さな楽園の中で自分が感じていることや自分がしている振る舞いと、それ以外の誰かとの関係性を比較することで、無理をしている自分にきづくこともできます。

集団の中にいると、その集団の中での当たり前や普通のこと、といった感じのものがありますが、それが自分にとって居心地がよいものであるとは限らないです。その集団の中で強い罪悪感を感じたり、無価値な自分を感じることもあるかもしれません。集団に馴染めないことから浮いた自分を感じることもあるかもしれません。

そんな自分がおかしいのか、あるいは、その集団がおかしいのか、それとも、その集団と自分があわないだけなのか、などといったことに意識を奪われると、思考の迷路をさまよっているかのごとく、心の中に疑いや迷いのようなものが生まれることもあるかもしれません。ただ、小さな楽園があると、そこにいるときの自分と、その集団のなかにいるときの自分を比較することで、罪悪感や自分を無価値に感じがちになっていた心の偏りを、通常の状態にリセットしてあげることもできるかもしれません。

家族と一緒にいても、パートナーと一緒にいても、友人と一緒にいても、親密感やつながりを感じられなかったり、わかってもらえていない感じがしたり、緊張感のようなものを感じることもあるかもしれません。何か引っかかっていることがあったり、あるいは、理由はわからないけれども、居心地の良さを感じられなかったり、ありのままの自分ではいられなかったりすることもあるかもしれません。お互いがお互いにとって空気のような存在で、ただ、何も感じないだけ、ということもあるかもしれません。

自分の心の内面は周囲に映し出され、心の中にある怖れや罪悪感など、人とつながるときにブロックとなっている部分が、その関係性のなかに出てきます。だから、その関係性の中で感じていることは、基本的に全て自分の内面にあるものとつながっています。

もし、小さな楽園を作ることができて、そこで居心地の良さや親密感を感じることができるのなら、それは自分の内面に、それを作り出すものがあるということを意味しています。ある意味では、小さな楽園があるということは、あなたはあなた自身のことを部分的にでも肯定している、といえるのかもしれません。


小さな楽園。このキーワードを聞いた時に、あなたはどんなことを想像したでしょうか?
私が語ろうとしている「小さな楽園を作る」ということについて、あなたの周囲の人たちとの関係性の中で、どんなことを思い巡らせたでしょうか?
小さな楽園を作ったらそれで終わりというものでもなく、そこで親密感やつながりを受け取って幸せを感じつつも、そこでの絆をより深めていったり、新しい住民をそこに招き入れたり、あるいは、新たな楽園を作り出すことにトライをしていけるものだと思っています。

これは私が勝手に思っていることですが、例えば誰かと恋愛関係になるということは、そんな小さな楽園を作るためのきっかけの一つ、なのかもしれません。例えば結婚というものは、その小さな楽園の大幅なリフォームをする、ということなのかもしれません。より絆を強固にするために。より親密感やつながりを豊かにしていくために。愛し愛される関係性をより深めていくために。

誰かと友達になる、ということも、そんな小さな楽園をつくるためのきっかけの一つ、なのかもしれません。その中には親友と呼べる人や、あるいは、相棒とよべるような人もでてくるかもしれません。そんなあなたにとって大切な人との関係性は、あなたにとって小さな楽園と呼べるもので、あなたの人生をより豊かにしてくれていると言えるものかもしれません。

「どんな人にでも、小さな楽園を作ることはできる。」
この言葉を目にして、どんな風に思ったでしょうか?
今、小さな楽園と言えるものがなくても、もし可能ならば作ってみたいという気持ちを感じる人がいらっしゃるかもしれません。今、小さな楽園と言えるものがあって、ああやっぱりこういうのって大切だな、なんていうことを思う方もいらっしゃるかもしれません。何も思わないし興味もない、と感じる人もおられるかもしれません。あるいは、作りたいけど私には無理だ、なんて思う方もおられるかもしれません。
あなたは何を思ったでしょうか?


自分に価値を見てくれる人。自分が価値を感じている人。お互いがお互いに価値を認め合える人。そんな人との間に、小さな楽園を作れる可能性があります。自己肯定感が低い人は小さな楽園を作れない、そんな風に思える人もいるかもしれません。ただ、私はこう思います。
「どんな人にでも、小さな楽園を作ることはできる。」

自分が普段考えていることや、これはこういうものだと信頼していることは、人生においての、自分自身の立ち位置のようなものを定着させていきます。その立ち位置にふさわしいものを、様々な形でわたしたちは体験し、受け取っていきます。今、小さな楽園がないのならば、それがあなたの今の立ち位置を示しているのかもしれません。

立ち位置を変えること。これはこういうものだと信頼しているものを少し変えてみること。自分が普段考えているものに、新しいものを呼び込んであげること。立ち位置が変わると受け取るものが変わり、その繰り返しが人生を変容させていきます。

自分自身が気づかなかったとしても、出会う人が変わり、人間関係が変わっていくに従って、自分自身が考えることも少しずつ変容していきます。そのなかで縁があって、小さな楽園を作っていくことができる人と出会うこともあります。

自分に価値をみてくれる人との関係性を大切にしてあげてください。自分が価値をみている人との関係性も大切にしてあげてください。そして、お互いがお互いに価値を認め合えているように感じるのなら、その人に一歩近づいてみてください。

もし、自分の心の中に、小さな楽園を作る上でブロックになるような感情や考え方を見つけたなら、それはある意味では、あなたがあなたの思考をかえるチャンスがきた、といえるのかもしれません。あなたがそれを変えた時に、あなたは自分の立ち位置を変えることができ、それはあなたの人生に新しいものを呼び込んでいくことになります。一歩でも半歩でもつま先を少しだけでも、立ち位置を変えて、その変化を受け取ろうとしてみてください。

自己肯定に対する抵抗感がつよいほどに、小さな楽園を作るまでの道のりは厳しくなるかもしれません。ただ、それはたどり着けないということではなく、たどり着くまでの道のりがただ厳しくなるだけで、絶対できないということではないです。ただ、それは小さな楽園を作れないということではなく、一緒に楽園を作れる人が見つけにくくなるだけで、絶対にできないということではないです。自己肯定感が低くても価値を見てくれる人はいるし、そばに来てくれる人はいます。ただ、抵抗が強い度合いだけ、それを受け取るまでのストレスは強くなり、そのことに難しさや怖れのようなものを感じることもあるかもしれません。それでも私はこう思います。
「どんな人にでも、小さな楽園を作ることはできる。」


心と心で繋がれる人と繋がろうと意識することが、小さな楽園を作るための条件になります。

自分と合わない人や、自分の価値をみてくれないように感じる人。自分を下に扱う人や、自分のことが眼中にない人。そんな人たちに自分のことを認めてもらおうと頑張ることにエネルギーを使ってしまうと、小さな楽園は遠ざかります。その人たちとの関係性があなたの人生において重要なところにあるのならば、あなた自身がその場所からそっと離れてあげること。あなたが立ち位置を変えることできたとき、あなたの人生のスポットライトが当たっている場所から、そんな人たちを退場させてあげることができます。自分に価値をみない人たちのことを、重要視しないであげてください。

小さな楽園の作り方は、とてもシンプルです。お互いに価値を認め合える人を見つけて、その人に与えられるものを与え、その人から受け取れるものを受け取り、与え受け取ることを通してその人との関係性を育てていく。ただ、それだけです。

作り方はシンプルなのですが、作れない理由はシンプルではないです。例えば、何か引っかかることがでてくるかもしれません。例えば、何かぶつかるようなところがでてくるかもしれません。例えば、何か許せないことがあるかもしれません。例えば、受け入れられないことがあるかもしれません。例えば、幸せを受け取ることが怖くなることがあるかもしれません。例えば、他に優先したいことが色々とあってなおざりにしてしまうこともあるかもしれません。例えば、気持ちがすれ違ってしまうことがあるかもしれません。例えば、どうしても相手を信じられないと思ってしまうこともあるかもしれません。例えば、ここに書いたことのどれかが相手の心の中に起こって、あなたには理由がわからないまま、関係性が解消されていくこともあるかもしれません。

小さな楽園の作り方はシンプルなのですが、やってみると、そこで色々なことが起こって、その度に、ある意味ではあなたは相手との関係性の中で、あなた自身はどうしたいのか、あなた自身はどういう人間で、この関係性とどう向き合っていこうと思っているのかを、問われるような状況になるかもしれません。

あなたの心の中で感じていることや考えていることが、あなた自身のまさに心の内面が、その関係性に映し出されていきます。そこで至らない自分を感じることもあるかもしれません。相手を責めたくなる気持ちがでてくることもあるかもしれません。小さな楽園を育てていくためには、相手に与えるということと、相手から受け取るということがとても大切になってきます。自分の身を守ろうとしすぎたり、自分の利益ばかりを優先しすぎようとすると、その楽園はいずれ崩壊に向かっていきます。だからもし、あなたが小さな楽園を作りたいという望みを持つのであれば、その楽園のタネとなるような関係性を育てていくために、あなたがその関係性の中でリーダーシップを発揮していくことが求められてきます。

例えば、私自身にとって、奥さんや子供との関係性は小さな楽園と言えるものなのですが、日々の暮らしの中で、いまだに至らない自分を感じることや、相手を責めたくなるようなことはちょくちょくあります。そこでリーダーシップを求められていることを感じて、えいやっと気合いをいれて行動することもちょくちょくあります。たぶん、これから先もずっとあります。だからこれは、ずっとやっていくことなんだろうなあ、なんて思っています。そして私はそのことを、あり、だと思っています。


誰かとの間に、小さな楽園が育っていっていることに気づいたのなら、その関係性の中で、お互いを認め合い、お互いを大切にし合っていることに心の中で感謝をして、その居心地の良さを十分に受け取ろうとしてみてください。相手との親密感を感じながら、その小さな楽園の中で、自然と自分自身が自分に価値をみているということを感じようとしてみてください。

愛される自分になれるように頑張るということを、手放してあげてください。ありのままの自分で、ただ相手の価値を見て相手を大切にしようとしていること(=相手に与えるということ)が、相手から自然にリターンしてきて、あなたが相手から価値をみられて大切にされているということを感じてみてください(=相手から受け取るということ)。与え受け取ることを通して、あなたが自分自身のことを肯定している瞬間を、その小さな楽園の中で、たとえ一瞬だったとしても感じとろうとしてみてください。


小さな楽園を作る、ということを今回は書いてみました。作り方はとてもシンプルです。お互いに価値を認め合える人を探して見つけ、その人に与えられるものを与えて、受け取れるものを受け取り、与え受け取ることを通してその人との関係性を育てていく、です。特別なことはなにもしなくていいし、テクニックが何もなくても大丈夫です。ただ、作れない理由は無限に出てきます。小さな楽園を作る前にも、作っていく途上にも、作った後にも。あとは、そんな作れない理由に対処していくだけなのですが、それをめんどくさいと思ったり、やりたくないと思えることもあるかもしれません。だから「この人(人たち)となら、それもありだ。」とあなたが思えるかどうかは、結構重要かもしれません。

ただ、小さな楽園を作る、というのは幸せを感じたり、自分自身がよりよいものを受け取っていくための一つの手段です。それができないからといってダメな訳ではないし、今それがないからといって悲観するものでもないと思っています。ただ、もし、あなたがこれを読んで、小さな楽園を作りたいと思えたり、今それはあるけれどももっとそれを育てていきたいと思えたり、もっとそんな関係性を増やしていきたいと思えるのなら、私はとても嬉しいです。

ここに書いたことで、何かしらお役に立てることがあるのなら、幸いです。