心鈴泉-心理学とカウンセリング

人間関係、恋愛、仕事の各シーンで使える心理学についての記事を記載しています。

パートナーに口で勝てない

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夫婦間や恋人同士で言い合いになるようなときに、どちらかがいつも負ける、ということがあります。あんまり良くないケースでは、例えば、何か不満のようなものがあるときに、それを相手に伝えたとしても、上手く切り返されるだけで、結局自分が悪い、みたいな感じになってしまい、何も変わらないというパターンのようなものができてしまうこともあります。これが慢性化すると、言っても無駄なので、相手に何も言いたくなくなる、といった絶望感のようなものがでてくることもあります。

例えば、旦那様の方が理屈っぽくて、奥様の方が感覚や感情面が豊かで、どこかコミュニケーションがかみ合わない部分があるようなときに、奥様の方が言ってくることに対して、旦那様が理詰めで「お前の言っていることは間違っている」という論破をしてくるような場合だと、奥様の方が「この人には何を言っても無駄」と思いやすいかもしれません。

話を聞いてもらってわかってもらいたいだけなのに、なぜかこちらの至らないところを理詰めでねちねちつついてきて、「うまくいかないのはお前に原因がある」とかやられると、話すだけで疲れてしまうものかもしれません。もちろん、直した方がいいところは直した方が良いのかもしれませんが、伝えたかったことはそういうところじゃない、というのがあったとしたら、相手の指摘をありがたい、とはとても思えないかもしれません。それよりも、相手のそういうめんどくさい論破モードをいかに回避するかに、知恵を注ぎたくなるかもしれません。

最初は愛し合って生まれた関係性であっても、こういった絶望感のようなものが出てくると、お互いの関係が何か停滞したような感じになります。コミュニケーションをとっていくなかで、お互いの良い部分を取り入れあったり、一緒に成長していけるような流れがある場合は、お互いの絆は良い意味で深まっていくのですが、相手に何を言っても無駄だ、という感覚が出てくると、パートナーとのつながりを感じにくくなります。例えば、相手からの愛情を感じられなくなったり、自分が相手のことを大切に思っているのかどうかすらもよくわからなくなったりすることも、もしかしたらあるかもしれません。

人間というのはどこかしら完璧ではない部分があり、パートナーシップを組むことで、お互いにケアしあったり、良い意味で影響を与え合って一緒に成長していくことができるものですが、こういったきっかけで、関係性に行き詰まり感が生まれてくることもあったりします。


ここで大切なのは、口で勝てないときに、自分は何を感じているか、という部分です。少し気付きにくいことですが、自分が感じている感情は、実は相手も感じている、という側面があります。なんでわかってくれないんだろう、とか、この人には何を言っても無駄、と感じていたら、実は相手も同じことを感じている、といったことが往々にして起こったりします。

本当はもっとこういう風にしてほしいのにやってくれない、なんていう不満を感じていたら、相手も、もっとこんな風にしてほしんだけどなあ、という不満を感じているかもしれません。私ばかりがいつも頑張っている、向こうは何にもしてくれない、なんて不満を感じていたら、相手は相手で似たようなことを感じているかもしれません。

もし、自分が感じているのと同じ感情を相手も感じているとしたら、どうしたいって思えるでしょうか?
自分だけがネガティブな感情を感じていて、自分ばかりが苦しい想いや損をしていると思うと、何もやりたくないし、相手とただただ距離をとりたいと思うものかもしれません。ただ、もし、相手も自分と同じように感じているとしたら、そこで何かつながりのようなものは感じられないでしょうか?

パートナーを変に上に見たり、下に見たりせずに、対等の関係である、という風に考えてみてください。関係性になにか行き詰まりが生まれているようなときに、それを相手のせいにすることは簡単かもしれませんが、お互いがそこに持ち込んでいるものが影響して結果的に行き詰まりが生まれているので、そこには何かしら、お互い様、と言えるような部分があります。パートナーとの間で起こった問題はどちらかに責任があるというものではなく、一緒に作り上げてしまっていたもの、というような、ものの見方をすることもできます。もし、そういう考え方にも一理あると思えるとしたら、問題が起きる前にできたことや、問題が起こった後にできることはなかったでしょうか?


もし、パートナーとの間にある行き詰まりを解消していきたいと思えるなら、自分がやってもらいたいと思うことを、まずは自分から相手に与える、というのが、その行き詰まりを解消していくことにつながっていきます。

自分のことをわかってもらいたいとしたら、自分が相手を理解する、ということをやっていきます。例えば、話を聞いてあげたり、耳を傾けたり、相手の価値観に寄り添うなどなど。もっと××してもらいたい、と思うような部分に関して、不満を抱いて相手を責める代わりに、自分が相手に××してあげれる部分はないだろうか、というのを考えて、無理のない範囲で、犠牲をしない程度に実践していくという感じです。

実際にそんなことをやってみて、そんなことができる自分自身をほめてあげるのも良いと思います。そこでは、喜んで相手に与える自分自身を感じることができますし、そこで相手とのつながりを感じることができます。

自分が感じていることは、相手も感じている、という側面がありますが、この、自分自身が相手に喜んで与えているということや、つながりを感じている、という感情の部分に、相手が共鳴しやすくなります。ここで、相手が実際に何かしらわかる形で、向こうから何か与えるような行動がでてくると、お互いに与えて受け取りあう流れが生まれ、それは2人の絆を深めていくことにつながっていきます。


口で勝てないとき、とても悔しい想いをするかもしれませんし、なんとか相手をやり込めたいと思うものかもしれません。もちろん、テクニック的なことを何か覚えて、策を弄して何か相手に返す、ということにトライしてみてもよいかもしれませんし、それで、一方的にやり込められていた関係性がなにか変わるかもしれません。ただ、本当に大切なことは、自分が相手に対して何を感じているか、という部分です。

そこには、パートナーとの間にある停滞感を変えていくためのヒントが眠っています。もし、パートナーとのコミュニケーションに行き詰まりを感じているような部分がある場合は、その自分の気持ちの部分にじっくりと向き合ってみてくださいませ。