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心鈴泉-心理学とカウンセリング

人間関係、恋愛、仕事の各シーンで使える心理学についての記事を記載しています。

心の傷

心理 考え方

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幼いころに体験したことで、自分のことを悪い子供だ、と思ってしまって、心の中に罪悪感の種のようなものができることがあります。これは、何も特別なことではなくて、多くの人の心の中にできる感じのようなものです。

私も自分の子供を見ていて思うのですが、こっちにはそのつもりはなくても、子供の方が自分は悪い子供だ、という風に勘違いして罪悪感をいっぱい感じて大泣きしているケースってあります。

今、罪悪感感じるんだろうな~っていうときは、子供はとっても可愛くない感じの表情をします。まるで、愛される価値なんて自分にはないんだ、っていうメッセージが全身から出ているような感じになります。

私から見ると、愛されていることを認めなよ、君は可愛いよ、と思うので、そういう態度で接していると、次第に落ち着いてきて、可愛い表情が出てきます。そういうとき、勘違いが解消されて、愛されていることを思い出すのだろうなあ、という風に思っています。


僕たちも幼いころに、勘違いだったり、あるいは勘違いではなかったり、両親との関係性の中や、そのほか様々な体験をしながら、心の中に大なり小なり傷のようなものが作っていく、というものかもしれません。といっても、これは心の中で起こっている真実というより、そういう感じの見方をすることもできる、という風に思っていただくと幸いです。

普段はあんまり意識することがなくても、こういった心の傷のようなものというのは、あるタイミングで癒されるために浮上してくることがあります。それは現実には、自分自身がそのときの感情を再体験する、という形でやってきます。

これはちょっと気付きにくいのですが、特に大きな苦しみだったり、悲しみだったり、とても辛い感情を感じているときというのは、その感情のルーツをたどっていくと、こういった幼いころの心の傷、というのがカギになっていることって本当に多いです。

そのため、自分の心の中を深堀していくときに、この幼いころにできた心の傷のような部分に触れて、そこをケアしていく、ということが、現実に起きている問題に対応するときに、有効、というケースがあります。直接的には関係していないように思えることも、自分の心の中で、感情ベースではつながりがあって、その深い部分をケアすることが求めれている状況、というのはカウンセリングの場面でもよく出てきたりします。


苦しいことや悲しいことや罪悪感を感じるようなことがあって、自分の心の中を深く見つめる機会があるときには、それはもしかしたら、自分の心の中にもともとあった心の傷が癒されるためにでてきたのかもしれない、と思ってみてください。

その心の傷を癒していくための方法ですが、まずは、幼かったころの傷ついた自分が、自分の心の中にいる様子をイメージしてみてください。これは、カウンセリングの場面で、私がリードしながらやったりすることもあるものなのですが、その子を心の中でケアしてあげることで、その根深い傷の部分に優しく触れていくことができます。

ここで大切なことは、その幼かった自分を否定したり、自分が感じている感情を封印してしまわない、ということです。感情は受け入れて感じていくことで、自然に燃やして解消していくことができます。

イメージの中で、その幼い傷ついた子供を大人の自分が抱きしめてあげてみてください。抱きしめられた子供は、どんな表情を見せるでしょうか?その子がかけてもらいたいと思える優しい言葉をかけてみて下さい。その子供は、言葉をかけてもらったことで、何を感じるでしょうか?自分自身が本当はやってもらいたかったことを、そのイメージの中で大人の自分がやってあげることで、その傷の部分をケアしていくことができます。

傷ついた小さな子供の部分をケアして、受け入れることができた分だけ、今の自分が楽さを受け取ることができるようになります。


その幼かったころの自分が、何か誤解して傷ついていたことに気付くことができるなら、ものの見方を変える選択をすることもできます。

お子さんを持っておられる方なら、自分の子供を愛していないわけじゃないけれども、心に余裕がないときには、ついつい子供の視点から見たら、愛情を感じられないような接し方をしてしまう、という経験をお持ちの方も、おられるかもしれません。

愛したいけど大切にしたいけど、大人達の中にも精神的に未成熟な部分はあって、ときに自分のことでいっぱいいっぱいになって、子供に辛く当たってしまうということもあります。もちろん、子供にはそんな大人の事情はわからないのですが。

自分が幼かったころにできた心の傷にも、そんな大人の事情があったかもしれません。イメージの中で、傷ついた幼い子供が落ち着いてきたら、その痛みを覚えた風景を思い起こしてみて、周囲にいる大人達の中にも、そんな未成熟だった部分はないか、思いを巡らせてみてください。

自分の中に傷ついた部分があるために、自分自身も余裕がなくなって子供につらくあたることがあったとき、自分の両親も同じだったんじゃないか、ということに気付く方もおられるかもしれませんね。親から子へと語り継がれるわけではないですが、考えようによっては、これって先祖代々続いている課題のようなものなのでは、ということを直感的に感じられる方もおられるかもしれません。その場合、あなたがここで対応を変えることができれば、親から子へと伝えられていくものが変容していくことになります。


ここに書いたことに取り組むには、自分の心とじっくり向かい合うことが求められます。時間もとられるかもしれませんが、そこで受け取れる恩恵も大きなものです。苦しいことや悲しいことや罪悪感を感じるようなことがあって、自分の心の中を深く見つめる機会があるときには、ぜひ試してもらえればと思っています。